「鍵が折れた!引き抜こうとしても全然抜けない・・・」
「奥の方につまってしまっているけど自分でなんとか解決できる方法はある?」
「抜けたのはいいけれど、この後どうしたらいいの!?」
鍵が折れたとき、起こるトラブルとしてはまず家に入れなくなってしまう事。
家に入れなくなる焦りでどんどんトラブルを悪化させてしまわないよう、自力で解決できる方法をまずは落ち着いて確認しましょう。
鍵の折れ方によっては、鍵屋さんに頼まなくても折れた鍵を抜くことができるでしょう。
まずは出来るかどうか、鍵の状態をチェックしましょう。
目次
鍵の状態をチェックする
結論から言うと、鍵穴から折れた鍵の大部分が見えていれば自力で解決できる可能性は大いにあります!逆に、鍵が奥の方に詰まっている時は時間と手間がかかることを覚悟しておきましょう。時間がかかっても自力で解決できれば、鍵屋さんに頼む費用がかからなくなるので、チャレンジしてみても良いでしょう。
ただし方法を間違えるとトラブルを悪化させることにもなるので自己責任で取り掛かってください。
まずは鍵の仕組みを知る
鍵を抜く前に、鍵の仕組みから簡単に見ていきましょう。
鍵のなかにはいくつもの長さが異なるピンがバネによって押し出されて並んでいます(※ピンタンブラーの場合)。ピンは上ピンと下ピンに分かれており、その境目が綺麗に並ぶことで鍵を回すことが出来ます。違う鍵をさすと境目が合わないため、鍵を回すことができません。
画像は簡単なピンタンブラーとなります。主に家に使われている鍵はギザギザが上下にあり、ピンの数ももっと多くなります。
防犯性があるものだと、ピッキングを防止するピンがついていたり、ピンの強度が高いものが使われています。
さらにディンプルキーを使っているのであれば、ピンの列は縦横3列以上あるためとても複雑な構造をしていることがわかります。
どのような状態で折れたかを考える
ディンプルキーは鍵の表裏に円形のくぼみがあり折れにくく、厚みもあるため多少乱暴に鍵を扱ったとしてもまず折れることは少ないでしょう。
「鍵が折れる」というトラブルは圧倒的にギザギザした鍵が多いです。ギザギザの鍵の場合は鍵自体も薄く、削られる範囲も大きいことから、どうしても耐久性が劣ります。
鍵が摩耗して折れやすくなっていたり、切り込みが深いところに負荷がかかりやすく、そこからボキっと折れることも。
鍵穴に問題がなく、金属疲労によって折れた場合はスッと抜ける可能性が高いです。
しかし、鍵穴のピンが壊れて引っ掛かっていたり、鍵穴に問題がある場合いくら外側から引き抜こうとしても抜くのは難しくなります。
もし、折れる直前に鍵が全然回らない状態だったとか、無理に引き抜こうとして折れてしまったのであれば、鍵屋さんに修理を頼むべきかと思います。
鍵の引き抜く向きに注意
自力で引き抜く前に、まずは鍵の向きを確認しましょう。鍵によっては鍵を挿した時の位置まで鍵穴を回さなければ抜けないものもあります。
鍵穴から折れた鍵が出ている場合
鍵穴から出ている部分をつまみ、引き抜きます。ただし慎重につままなければ、奥へとどんどん入り込んでいきます。
ピンセットやペンチを使う
ピンセットやペンチで切先をつまみ、水平にそーっと引き抜きます。もし抜けないようであれば、鍵穴のピンを切り込みに合わせるようイメージしながら、小刻みに上下に動かしながら抜きます。
抜けないときは、鍵をつまんだまま、鍵穴の中に鍵用の潤滑スプレーを吹きかけてみてください。シャンプーやシリコンスプレーは使用してはいけません。滑りがよくなるのは一時的なもので、あとあとまた鍵が抜けなくなる原因になります。
ピンセットやペンチは100円ショップで、また鍵用の潤滑スプレーはホームセンターで調達しましょう。ショップによっては置いていない場合がありますのでご注意ください。
鍵穴から折れた鍵が出ていない・見えない場合
折れた鍵が鍵穴の奥でつまっている場合は難易度が高くなります。
ピンバイスを使う
ピンバイスはプラモデルでも使用する穴をあけるための精密ドリルで、100円ショップでも購入することができます(※ショップによっては無い場合もあります)。
つまっている鍵に角度をつけて回しながら穴をあけ、ささったドリルに引っ掛けるようにして引き抜きます。鍵に穴があけられる極小サイズを選びましょう。
鍵が開いている場合
鍵が開いている状態で鍵が詰まってしまった場合、錠前と鍵穴を分解して取り出す方法があります。ドア横の錠前を固定しているビスを外していき、取り外したシリンダーを分解していきます。ただし、細かいバネやピンが詰まっている精密な部品となりますので、シリンダー分解は知識がある方以外はオススメしません。
元に戻せなくなった際に、鍵を閉めることもできなくなります。
やってはいけない方法
瞬間接着剤を使う
瞬間接着剤や、粘着性のあるものを使用すると、鍵穴を壊しやすくなります。また、瞬間接着剤は固定されるまで液体状になるため、もし鍵穴の中に垂れてしまうと鍵が回らなくなってしまいます。
特に鍵が奥に入り込んでいる時は、やらない方がいいでしょう。
自力で抜けない、自身がないときは鍵屋に頼むのが早い
諦めが肝心、プロであれば全く抜けなかった鍵をすぐに抜いてくれたり、その後の調整も依頼できます。
せっかく道具を用意しても、鍵穴に問題があればいくら手間をかけても鍵が抜けなかったり、鍵は抜けたものの鍵穴を壊してしまっている、鍵穴の寿命で鍵交換が必要な場合もあります。
そういったプロでなければわからない原因を見抜き、もし鍵開けが必要なときはその場で解錠や鍵の交換も対応できるので、トラブルを早く・確実に解決するなら鍵屋に頼むことをオススメします。
折れた鍵は再利用できない
苦労して抜いた鍵ですが、再利用はできません。接着剤でくっつけようとしたり、再度鍵穴にさすようなことは絶対にしてはいけません。精密なピンには、接着剤でくっつけただけの歪んだ鍵では合いません。歪んでいる鍵が再度ピンに引っ掛かって抜けなくなることもあります。
また鍵穴が壊れている可能性があります。不安な場合は点検と修理を鍵屋さんに依頼しましょう。
鍵が折れる前兆に注意!
鍵の切り込みが深く幅が細くなっている場合は折れやすい鍵なので、折れる前に交換しましょう。
また鍵が摩耗していたり、鍵穴が壊れている場合は以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
- 鍵が抜けにくい
- 鍵が回りにくい
- 挿しにくい
- 何回か回すと開く
こういった状態で使い続けると、鍵をさす・抜く時・回す時に、大きな負担がかかりやがて折れてしまいます。
鍵穴のゴミを掃除機で吸う、鍵穴に潤滑スプレーを吹く、といったメンテナンスをするか、10年ほど使っている場合は耐久性の高いディンプルキーに交換する方が良いでしょう。